ケース①:提示された株価の妥当性を確かめたい

(譲渡検討中・仲介提示額に疑問を感じる方)
■背景
相談者は創業20年以上の事業を営むオーナー様。近年、体調面の不安や後継者不在から事業承継を意識しはじめたものの、「今すぐ動くべきか、それとも数年待つべきか」 判断がつかず、仲介会社に相談する前の段階で当社へお問い合わせをいただきました。 また、知人経営者から「M&Aは急がされる」「よく分からないまま進むと後悔する」という話を聞き、不安が増していたとのことでした。
■オーナーの課題
· 売却時期として“今”が適切なのか判断できない
· 企業価値がどれくらいなのか、おおまかな感覚すらない
· 仲介に行くと話が一気に進みそうで怖い
· 社員への影響や、売却後のご自身の働き方も不透明
オーナー様は、「譲渡自体は前向きだが、一度進めると後戻りしづらい」という点に悩んでおられました。
■VALUX INSIGHTの分析
財務データ(3期分のPL・BS)、月次推移、顧客別売上構成などをもとに “現時点での企業価値のレンジ(幅)” を第三者として算出。 また、業界動向や買い手候補の出現確率、今後の利益予測を踏まえ、
· 今動いた場合のメリット
· 1〜2年待った場合のメリット・リスク
· 粗利率・利益率の改善余地
· 買い手にとっての魅力度の分析
をオーナーの立場に近い視点で整理しました。
特に、「あと2年待つ場合、買い手側が重視する財務指標がどのように変わるか」というパターンを複数作り、定量・定性の両面で比較できるようにしました。
■提案内容
最終的には、
· 半年以内の準備着手(資料整理・事業計画ブラッシュアップ)
· 社内に影響を与えない範囲での静かな準備フェーズ
· 仲介選定のポイント(手数料・担当者・専門性)
· 譲渡後の働き方のシミュレーション
など、すぐに動きすぎず、しかし“何もしない期間”にしないバランスを提案。
当社のスタンスとして、無理に動かすのではなく 「今すぐ動かないことの意味」も含めてフェアに提示しています。
■結果
オーナー様は「想像していた以上に論理的に考えられた」と安心され、半年後、業績がさらに安定したタイミングで仲介会社へ正式依頼。 その際、当社が整理した資料が役立ち、初回の買い手面談がスムーズに進んだと報告を受けています。現在は買い手候補との調整フェーズにあり、オーナー様の希望する働き方に沿った条件で交渉が進行中です。
■オーナー様の声
「急かされることなく、まず“考える材料”を並べてもらえたので冷静になれました。 営業トークではなく、第三者としての正直な意見がもらえたことが一番ありがたかったです。」
