ケース⑤:譲渡を検討しているが、まだ動くべきか迷っている売却を進めるべきか、時期を待つべきか判断がつかない。

第三者の視点で“今の企業価値”と“交渉可能性”を整理し、今後の方向性を一緒に考えます。
■ ご相談内容
とある製造業のオーナー様から、 「M&Aが初めてで、仲介会社や買い手から出てくる専門用語が理解できない」 というご相談をいただきました。特に不安だった点は以下の通り:
· 表明保証とは何か?リスクは?
· 競業避止義務はどこまで制限されるのか?
· 役員として残る期間や役割が曖昧
· 専門家が作った契約書が“正しいのかどうか”判断できない
· 契約書の条文が長く、読んでも意味がわからない
経営判断を迫られているにも関わらず、言葉の意味が分からない状態で前に進んでいることが大きなストレスになっていました。
■ VALUX INSIGHT で行ったサポート内容
① 契約書の専門用語を“オーナー視点の日本語”に翻訳
契約書をそのまま読むのではなく、各条文を“経営者が理解しやすい言葉”に置き換えて噛み砕きました。
例:
· 表明保証 → 「もし事実と異なる情報があった場合の責任」
· 競業避止 → 「売却後に同じ商売をしない約束」
· 役員継続条件 → 「いつまで会社に残るかという契約」
難しい言葉を“機能”で説明することで、 理解しながら読み進められるようにサポートしました。
② 契約書の“重要度マップ”を作成し、見るべき箇所を明確化
契約書は100項目以上あることもありますが、すべてを重要度が同じとは限りません。
そこで、条文を
· 重要度A:必ずチェックすべき箇所
· 重要度B:注意して読んでおきたい箇所
· 重要度C:一般的で大きな問題になりにくい箇所
に分類し、オーナーが迷わず理解できる設計にしました。
③ 買い手が気にしている“隠れた意図”を推測し、交渉準備
表明保証や競業避止の設定などには、買い手の“意図”が強く反映されます。
そこで、買い手の事業特性・投資目的を踏まえて、
· なぜこの条項が必要なのか
· リスクをどうコントロールしたいのか
· どこに交渉余地があるのか
を整理し、オーナーが理解したうえで交渉できる状態を作りました。
④ “交渉で主張すべきポイント”を文章化して共有
専門知識がなくとも正しく主張できるよう、実際の交渉の場で伝えるべきポイントを文章化。
· 条項の修正案
· 理由の説明方法
· 誤解されない伝え方
をセットで提供し、オーナー様は安心して交渉に臨むことができました。
■ 結果
契約内容を自分の言葉で理解できるようになったことで、不安が大幅に軽減され、冷静に判断できる状態に。
契約書の数カ所について修正が入り、最終的にオーナー様が納得できる形で意向表明に進みました。「専門用語で煙に巻かれている感じが消えて、腹落ちした」というお声をいただいた事例です。
