ケース④:条件交渉で不利にならない準備をしたい買い手の専門知識に押されてしまいそうで不安…。

交渉直前・初回提示後の価格見直しを検討中の方​

■ ご相談内容

オーナー様は事業に深い理解を示してくれる買い手企業に出会い、「この相手であれば譲渡したい」と前向きに感じていました。しかし一方で、提示された条件に対しては次のような不安がありました:

· 価格は納得しているが、役員として残る期間が曖昧

· 従業員の待遇がどうなるかはっきりしない

· 自身の退職タイミングと報酬のバランスが判断しづらい

· 仲介担当者の意見が買い手寄りに感じる場面が増え、信頼できなくなりつつある

つまり「買い手は良い。しかし「交渉の落とし所」が自分で判断できない」という状況でした。

■ VALUX INSIGHT で行ったサポート内容

① 交渉条件を分解し、整理できる形に構造化

まず、提示されている条件を価格・雇用条件・役割・引継ぎ期間・競業避止・表明保証 などに細かく分解し、紙に落として一緒に整理しました。

多くのオーナーは「一括で判断しようとして混乱する」ため、交渉論点を因数分解することで、冷静に判断できる状態にします。

② 交渉の“優先順位マップ”を作成

次に、オーナーの希望を丁寧にヒアリングし、

· 絶対に譲れない条件

· 交渉すれば改善できる条件

· 譲ってもよい条件(心理的ハードルはあるが)

の3つを分類。

数字の話だけでなく、 「明日からの仕事」「社員」「家族」「地域」など感情的な側面も尊重しながら 最も納得できる落とし所を一緒に描きました。

③ 買い手企業が重視しているポイントを推定し、交渉材料に変換

面談の発言内容・事業構造・投資意図から、 買い手が譲れないと考えているポイントを分析。

· なぜこの企業を買いたいのか

· どの事業が強みと判断されているか

· どこにリスクを感じており、どう下げられるか

を読み取り、 「どこを押せば条件改善が期待できるか」 をアドバイスしました。

④ 仲介にどう伝えるべきか、実際の“説明ロジック”を作成

オーナー様が仲介や買い手に伝える際にブレないよう、 説明文・主張ポイント・質問リストをテキスト化。

仲介を敵に回さず、 “第三者の意見として自然に伝える” 話し方も整理しました。

■ 結果

事前準備により、オーナー様は自信を持って交渉の場に臨めるように。

特に以下の改善につながりました:

· 役員として残る期間が 曖昧 → 明確に

· 労働条件の承継について、具体的な記述を契約案に反映

· オーナーの退職後の報酬条件も 希望に近い水準に調整

オーナー様からは、 「買い手への信頼はそのままに、不安なく進めるようになった」 とのお声をいただきました。

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