ケース③:仲介やFAの意見に偏りを感じる仲介会社の提案が“売買成立ありき”に見えるとき、第三者の視点で改めて判断したい。

既に仲介中の案件・セカンドオピニオン希望者

■ ご相談内容

仲介会社から提示された企業価値・譲渡価格に対し、

· 「安すぎるのではないか…?」

· 「買い手寄りの価格になっていないか…?」

· 「仲介が何を根拠に言っているのか説明が薄い…」

と、不信感を持ったことがきっかけでご相談いただいたケース。

特に中小企業のM&Aでは、仲介が買い手にも売り手にも属さない建前で動く一方、 実際は買い手側に寄りがちなケースも少なくありません。

オーナー自身が妥当性を判断できず、「第三者に本当の相場感を教えてほしい」という依頼でした。

■ VALUX INSIGHT で行ったサポート内容

① 提示された企業価値の“根拠”の精査

仲介から共有された資料やロジックを丁寧に読み解き、どの部分が客観的根拠に基づいているか、逆にどの部分が恣意的・不十分かを一つずつ分析。

· 加味されていない利益調整

· 実態に合わない倍率(マルチプル)

· 将来価値の見落とし

· ネガティブ要因の過剰評価

などを整理し、本来あるべきレンジ(価格帯)を提示しました。

② 過去の類似事例から“客観的な相場感”を算出

仲介の算定だけに依存せず、他業種・類似規模・地域なども踏まえながら、 実務で使われる複数の算定手法で価格を再評価。

· マルチプル法

· DCF法

· 清算価値法

· 調整後EBITDA…

売却企業の特性に最も合う手法を選び“第三者としての妥当レンジ”を提示。

③ 仲介・買い手に対してどう主張すべきか、交渉論点を整理

価格評価は“数字が出れば終わり”ではありません。 むしろ大事なのは、どう伝え、どう交渉に活かすか。

そこで次の3つをまとめて提供

· 仲介に確認すべき質問リスト

· 説明を求めるべき不明点

· 価格改善が期待できる交渉ポイント

· どこを強く主張すべきか(逆に折れてよいか)

オーナー自身が “価格の根拠” を理解したうえで動けるようサポートしました。

④ 今後の進め方の選択肢とシミュレーション

仲介との関係性を壊さずに話を進める方法、また、必要であれば他の選択肢(別の買い手探索など)も含めてオーナーが判断できる状態を作成。

■ 結果

第三者視点での再評価により、仲介提示額は相場より 20〜30%低めだった ことが判明。

ただしすぐに対立構造にはせず、「納得できる根拠づくり」をしたうえで仲介と話したことで、関係を悪化させずに価格の改善余地を引き出すことができました。

「数字の意味がわかって腹落ちした」「仲介に遠慮せず質問できるようになった」といった

声をいただき、オーナーの不安が大幅に軽減された事例です。

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