企業価値の査定が信頼できないと感じたときに確認すべき判断軸と第三者による企業価値の選択肢

M&A仲介会社から提示された企業価値に対し、「この金額は妥当なのか」「なぜこの評価になるのか説明が腑に落ちない」と感じる経営者は少なくありません。本記事では、企業価値査定が信頼できないと感じる理由を構造的に整理し、そのうえで経営判断に有効な第三者による企業価値評価という選択肢を解説します。
企業価値査定が信頼できないと感じる主な要因
企業価値に対する違和感は、感覚的な不信ではなく、評価プロセスや前提条件に起因する合理的な疑問である場合がほとんどです。
- 算定根拠や前提条件の説明が十分でない
- 評価手法が簡易的でロジックが見えない
- 他社比較や市場データとの整合性が不明
- 交渉を前提とした価格に見える
M&A全体の流れや各フェーズでの位置づけについては、M&Aの進め方に関して解説で詳しく解説しています。
M&A仲介における企業価値査定の基本構造
M&A仲介会社の企業価値査定は、理論的な価値算定であると同時に、成約を見据えた「条件提示」という側面を持ちます。この点を理解しないまま査定額だけを見ると、信頼できないと感じやすくなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 売り手・買い手の合意形成 |
| 評価位置づけ | 交渉スタートライン |
| 報酬構造 | 成功報酬型(成約前提) |
仲介査定がズレやすい構造的理由
成功報酬型によるインセンティブ設計
多くのM&A仲介会社は成功報酬型を採用しています。このため、理論的な最大価値よりも「成約可能なレンジ」に企業価値が調整される傾向があります。
両手仲介による利益相反リスク
両手仲介では、売り手・買い手双方から報酬を得るため、価格最大化よりも早期合意を優先するインセンティブが働く可能性があります。こうした仲介構造については、M&A仲介トラブルに関して解説で詳しく解説しています。
評価手法の簡略化
仲介査定では、EV/EBITDAマルチプルなど簡易的な手法が用いられることが多く、将来キャッシュフローや事業リスクが十分に反映されないケースもあります。
企業価値評価の代表的な算定手法
企業価値評価には複数のアプローチが存在し、前提条件によって結果は大きく変動します。
| 手法 | 概要 |
|---|---|
| EV/EBITDA法 | 利益水準に市場倍率を乗じる方法 |
| DCF法 | 将来キャッシュフローを現在価値に割引 |
| 時価純資産法 | 資産・負債の実態価値を基準 |
EV/EBITDA法の基本式は以下の通りです。
企業価値(EV)= EBITDA × マルチプル
評価ロジックの詳細については、企業価値評価に関して解説で詳しく解説しています。
「信頼できない」と感じたときの健全な対応
仲介査定に違和感を覚えた場合、感情的に否定するのではなく、別の評価軸を持つことが重要です。
- 算定前提・数値根拠を明確に確認する
- 複数の評価手法でクロスチェックする
- 仲介とは利害の異なる第三者評価を活用する
第三者による企業価値評価という選択肢
経営判断の精度を高める手段として有効なのが、M&A成約を目的としない第三者による企業価値評価です。
VALUATION INSIGHTの位置づけ
VALUATION INSIGHTは、特定の売買成立を前提とせず、企業価値評価そのものに特化した第三者評価サービスです。仲介会社や買い手・売り手いずれの成功報酬とも連動しないため、利害から独立した評価が可能です。
| 比較項目 | M&A仲介査定 | VALUATION INSIGHT |
|---|---|---|
| 目的 | 成約条件提示 | 客観的価値把握 |
| 立場 | 仲介者 | 完全第三者 |
| 評価深度 | 簡易評価中心 | 複数手法併用 |
第三者評価が有効な経営者のケース
- 仲介査定額の根拠に納得できない
- 売却判断そのものを再検討したい
- 交渉前に判断材料を整理したい
- 株主・社内説明用の客観資料が必要
よくある質問
仲介査定は成約を前提とした条件提示の側面があり、成功報酬型や両手仲介によるインセンティブ、簡易的な評価手法が影響し、理論的な最大価値と乖離する場合があるためです。
仲介査定は交渉のスタートラインとして提示されるものであり、企業の本源的価値を確定する絶対評価ではありません。前提条件や交渉状況によって調整されることがあります。
算定前提や数値根拠を確認し、複数の評価手法でクロスチェックしたうえで、仲介とは利害関係のない第三者による企業価値評価を併用することが有効です。
VALUATION INSIGHTはM&A成約を目的とせず、成功報酬とも連動しない完全第三者の立場で、複数の評価手法を用いて客観的に企業価値を算定する点が大きな違いです。
まとめ|企業価値に違和感を覚えた時点で判断軸を増やす
企業価値の査定が信頼できないと感じることは、経営者として自然かつ健全な判断です。M&A仲介の査定は交渉を前提とした一つの視点であり、絶対的な価値ではありません。
だからこそ、利害から独立した第三者による企業価値評価を併用し、複数の判断軸を持つことが、M&Aの成否を分ける重要なポイントとなります。VALUATION INSIGHTのような第三者評価を活用することで、より納得感のある経営判断が可能になります。

